2009年03月25日
C&Tに『ナチュラルオーガニック原料』が掲載されました。
防腐剤に代わる植物由来の抗菌性原料にニーズ高まる
食品にも使用可能な安全性秘め
岩瀬コスファは、長年、化粧品原料の販売を続け、常に新しい素材を市場に送り出してきた。流行に敏感な化粧品業界においてロングセラーの原料は数多くない。近年の世界的な環境意識の向上により、消費者の意識は天然志向、安全性志向にあると考えている。自然由来、オーガニック原料を使用した化粧品が消費者に受け入れられてきており、『EcoCert®』認定化粧品も発売され始めている。また、肌が敏感な女性が増え、安全性が高く肌に優しい原料が求められてきている。
このような状況下、消費者意識にマッチした化粧品原料として岩瀬コスファが注力しているのが、植物性グリコールの「Zemea® プロパンジオール」、天然抗菌性原料の「MFP-K」そして植物性エステル油の「フィトワックス®」である。
「Zemea® プロパンジオール」はトウモロコシの糖を発酵させ得られる無色の高純度な天然由来グリコールである。安全性が高く、昨年には『EcoCert®』認証を取得している。化粧品にはBG、DPG等のグリコール類が保湿を目的として使用されているが、これらは全て石油系の合成原料であり、天然志向の流れから天然由来のグリコールが長く望まれていた。「Zemea® プロパンジオール」は皮膚や毛髪に対する優れた保湿特性と静菌効果を有している。グリセリンと併用することで、それぞれ単独の使用では得られない高い保湿効果を示すことを確認しており、毛髪製品に使用することで、適用後の毛髪の水分量を上昇させることも確認している。スキンケア製品だけでなく、メイク製品、ヘアケア製品等に有用であると考えている。
「MFP-K」は5種の植物抽出液を特定菌により生物変換させた抗菌性の醗酵代謝液である。化粧品の防腐にはパラベンやフェノキシエタノール防腐剤が汎用されているが、これに代わる植物性の抗菌性原料が近年求められてきている。1,2-アルカンジオールは抗菌性のある保湿剤として使用されているが真菌に対しては特に抗菌力が低いことが知られている。「MFP-K」は低濃度の添加で細菌や真菌に対して強い抗菌活性を有しており、pHや温度変化による抗菌活性の変化がないことも確認している。韓国では化粧品だけでなく飲料などの食品にも既に使用されており、安全性の高い原料である。また、「MFP-K」は乳化特性があり、界面活性剤を用いなくても1μm程度の微細なエマルションを調整することが可能となる。界面活性剤フリー、防腐剤フリーの安全性の高い化粧品の提案が可能となる。
「フィトワックス®」は、オリーブ油とヒマシ油に高級アルコールをエステル化させ水素添加することで得られた植物由来のワックスであり、『EcoCert®』認証を取得した原料である。スキンケア、メイク製品に幅広く応用が可能なように30~70℃の間に融点をもつ10グレードを揃えている。塗布時に肌上、口唇上で溶ける感覚をもつクリームやリップスティックなども調整可能である。
今後も新規素材や機能性素材の提案により原料面及び製剤面から化粧品業界を支援していく。
(Zemea® はデュポン テイト&ライル バイオプロダクツ社の登録商標です。)
(C&T化粧品・トイレタリーの専門誌 春2009・4月号 掲載)